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『皇帝のいない八月』 小林久三 [ミステリー]
★★★☆☆
及第点な作品。日本が平和になり過ぎたのか、ピンときません。サラリーマン化した自衛隊にこれだけの気概があるとも思えないし。そもそも、三島が市ヶ谷で自決したときでさえ、野次がとんでいたんですからね。
小説としてはほんの少しおとぎ話的なところもあり、後半もかなり失速しますが、アイデアとしてはよしというところでしょうか。本職としては、もう少しだけ主人公側が窮地に追い込まれるところまでいったほうが、もっと緊迫感がでて面白かったのではとも思いますが、そうすると収拾をつけるのが困難だと思ったのかもしれません。以上。
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