『模倣の殺意』 中町信

★★★★☆
ジャンル：本格推理

　何じゃゴルァ！　な作品。これまた、限りなく★４つに近い出来栄え。よって繰り上げた。第１７回江戸川乱歩賞最終候補作（応募時は『そして死が訪れる』）。この年は受賞作無しだったが、これにあげてもよかったんじゃないかといったところ。しかし、この結果からして、この手の作品はやはり乱歩賞向きじゃないんだろう。
　第１７回といえば１９７１年ですよ。そんな時代に著者はすでにこの作品を書き上げていた。しかし、一般的にはほとんど無名。ミステリ好きなら知っているという程度。
　もう７０歳を超えているから、新作は出ないだろうが、惜しい作家だ。こうやって、脚光を浴びずに埋もれていく作家もたくさんいるのだろうと思うと、ちょっぴりセンチな気分になった。以上。

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