『伯林－一八八八年』 海渡英祐

★★☆☆☆
ジャンル：本格推理

　悪くはないといった作品。第１３回江戸川乱歩賞受賞作品。本格で密室モノです。しかし、それだけです。テーマは森鴎外、主人公は森林太郎。史実と作品の間隙をついて、うまく構成されています。ですが、ただそれだけです。
　作者の気持ちは痛いほどわかります。とは言うもの……よく乱歩賞が取れたなぁというのが素直な感想です。
　時代が良かったんでしょうね。『枯草の根』以来の本格ですが、たぶん新本格派が好きな本格です。誰もが本格だというだろう本格です。以上。

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