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『写楽・考』 北森鴻 [ミステリー]

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[本]★★★☆☆

 及第点な作品。このシリーズは本当に素晴らしいと思う。ただ、『凶笑面』にはかなわないので★3つ。
 今年は写楽に関するものをピックアップして読んでみたけど、本作は最後が少し思わせぶり過ぎて、ちょっと物足りなかった。誰か、本当に解明してくれないかな。
 さて、この蓮丈那智シリーズの長編を読んでみたかったと思うのは、作家・北森鴻の作品が好きな人なら、誰の胸にもある共通の思いでしょうね。本当に惜しい人を亡くしました。もう新作を読めないのだとあらためて考えてみると切なくなります。以上。

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『第三閲覧室』 紀田順一郎 [ミステリー]

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[本]★★★☆☆


 及第点な作品。古本屋巡りが大好きな本職としては、著者の作品はとてもお気に入りです。本格作品ですので、「ほう」というトリックもちゃんと入っています。ミステリー作家としては寡作な方ですが、その他の作品もチェックする価値ありです。
 内容のほうは、それほど奇抜でもなく、安心して読めます。コメント短くて、すみません。けれども、星3つということで。以上。
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『写楽 閉じた国の幻』 島田荘司 [ミステリー]

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[本]★★★★★

 何じゃゴルァ!! な作品。本職的には、期せずして今年は写楽yearとなりました。高橋克彦著『写楽殺人事件』、梅原猛著『写楽 仮名の悲劇』を既に読んでいて、基本的知識は十分に入っていました。だから、本作を読んでいてもスムースに背景が理解でき、それがゆえに、この説の斬新さとあり得るのかもしれないといった感覚が読んでいて心地良かったのです。
 ミステリ界の巨匠ならではの推理と構成に、美大出の人間が抱く絵への理解と解釈、これらがうまく融合されて説得力を高めていたように思われます。
 まあ、実際のところ、どの写楽説を読んでもそれなりに説得力はあるのですが、これだけ心を引き付けられた説はなかった。まさに、奇想ここに極まれりといった感じでした。値段は高くなってもよかったので、根拠となる資料を見せてほしかったなと思います。以上。

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『薔薇の女』 笠井潔 [ミステリー]

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[本]★★★☆☆

ジャンル:本格ミステリー

 及第点な作品。こてこての本格物だが、主人公の手法である本質直感には、ちょっと違和感を抱いてしまう。いわゆる本職なりの解釈では、経験則をフルに活用した勘によって、いろいろな推理がなされるわけで、本当の意味での本格推理とは微妙にぶれているじゃないかと思うのです。
 作品の本質としては、前作の『サマーアポカリス』よりは上ですが、『バイバイ、エンジェル』よりは少し劣る──んじゃないかというのが直感的な感想です。
 とはいえ、本職の本質直感的には、どこか遠いところに、エラリー・クイーンの『九尾の猫』の雰囲気をかぎ取ったのですが(ほめ言葉です)……。気のせいでしょうか。以上。

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『三月は深き紅の淵を』 恩田陸 [ミステリー]

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[本]★★☆☆☆

ジャンル:本格ミステリー

 悪くないといった作品。というか、この作品は4部構成になっているのだが、最初のひとつの良さだけで、どうにかダメ出しから逃れることができたといった作品だ。
 作品に対する著者の野望のようなものはよくわかるが、誰が何と言おうと失敗してますね。特に、重要な最後の章に安易な方法をとり過ぎた。建前上はどうにか刈り取ったけれど……という感じです。
 期待が大きかっただけに、残念でした。以上。

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